フィルムカメラ始めますか?
今からフィルムカメラ始めたい!って人がいたら……ということで。
長文注意!
そもそも
本当にフィルムカメラがいいの?
1.フィルムっぽい"味のある"写真への憧れ
デジタル的な処理で「フィルムっぽい写り」を作ることはそれなりに可能。
例えばFUJIFILMのカメラにはフィルムの製造で培ってきた技術を活かした「フィルムシミュレーション機能」がついている。
「クラシッククローム」で検索してみなよ。
結構いいでしょ。僕もフジのカメラ欲しい。
それにもしかしたら、フィルムカメラの写真を見て「良い!」ってなったのはレンズの性能によるものかもしれない。
今はマウントアダプターというものを使えばデジタルカメラでフィルムカメラのレンズを使うこともできる。
ネット検索を駆使して、同じレンズでデジタルで撮った写真と見比べてみよう。
2.現像するまで何が写ってるか分からない、ワクワク感を味わいたい!
現像するまで写りがわからんということは、トライアンドエラーがしづらいということです。
トライアンドエラーしづらいということは上達しづらいということ。
モニターで構図とか確認した方がいいんじゃない?
あとは、現像やスキャンを頼んだお店によって色味とか変わってくるので自分の撮りたい色合いになってるかはお店次第だったりする。
3.フィルムカメラって安いんでしょ?
基本的には中古で購入することになるので、ボディもレンズも安いことが多い。
ただし、ランニングコストはなかなか馬鹿にならん。
フィルム1本500~700円程度。
現像で500円程度。
現像だけでは鑑賞すらままならないので、CDに焼き付けてもらって500円程度。もしくは、フィルムスキャナーを購入。あまりクオリティにこだわらなければ1万円くらい。
フィルム1本で撮れるのは24枚か36枚。
フィルム1本500円、毎回CD焼付までお店で頼むとする。つまり1本にかかるのが1500円。
12万でフルサイズミラーレスのボディが買えることを考えると
80本撮ればフルサイズミラーレス一眼が買えちゃう。
36枚撮りだとして、80本=2880枚。
そんなに撮らないか……?はあなた次第。
あまり撮らないのなら、コスパはいいと思うが……。現像に出す度に財布の中身が減っていくのはなかなかくるものがあるよね。
4.他の人と違う感じがいい!
じゃあ好きにしなよ……(僕もそのタチです)。
それでも
やっぱりフィルムカメラが良い!という方。
結構、大いに結構。
ではカメラ選びについて、こちらの知ってる限りのことを伝えよう。
1.フィルムカメラを選ぶ上で
フィルムカメラにおいて大きな要素は3つ。
レンズ、ボディ、フィルム。
でもボディは基本写りには関係してこない。
明るすぎるところでも撮れるかどうか、とか、明るさの設定を自分でしなくちゃいけないか、とか。どちらかというと「快適に撮影ができるか」というところがボディに依存する部分である。
写りを決める要素はレンズとフィルム。とりあえずボディは後回しで良い。
そしてフィルムは気に入ったのを使えばいいだけ。
つまり、重要なのはレンズなのだ!(フィルムを取っかえ引っ変えするよりもレンズを取っかえ引っ変えする方がお金がかかるということだ!)
2.レンズから選ぼう!
フィルムカメラに限らず、カメラは大きく分けると2種類。
レンズが交換できるか、否か。
それを念頭に置いてレンズを選ぼう。
「オールドレンズ 作例」とか「フィルムカメラ 作例」でググると実際にフィルムカメラのレンズで撮った写真が出てくる。
フィルムで撮ってるかデジタルで撮ってるか、なんのフィルムを使ってるか、は一応確認しよう。
また、作例にボディだけ書いてあってレンズが書いてなかった場合、「そのボディを買えばその写りになる」わけでは決して無いので注意しよう。先述の通り、写りはほとんどレンズとフィルムで決まるのだ。
どのレンズを選ぶかは君の好みしだい!
3.レンズ選びの上で
さて、気に入る写りのレンズがあったら、それについてより深く調べてみよう!
F値とは光を取り込む量を変える絞りのこと。超簡単に言うと「ボケの量」を調節するものだ。関西人風になる訳ではない。
F値は撮影時に変えることができるのだけど、最低のF値というのはレンズに依存する。
スペックに乗ってるf1.8とかいう記載は、最低F値が1.8ということ。f1.8でもf2.8でもf8で撮影することはできる。
F値を高くするほど全体的にピントが合い、F値を低くするほど背景がぼける。そのため、最低F値が低いレンズはボケさせやすく、いいレンズと言われることが多い。2以下だとかなりいい方。
f値を高くすることを「絞る」といい、f値を低くすることを「絞りを開ける」、最低f値にすることを「開放にする」という。
また、最低f値が低いレンズを「明るいレンズ」と言い、逆を「暗いレンズ」という。
つまり、明るいレンズ=ボカしやすいレンズのこと。調べてると出てくるだろうから覚えておこう。
ただ明るいレンズ=素晴らしいかというと、一概にそうとはいえないらしく、技術的に作るのも難しいため高価になったり、詰めの甘い設計になったりすることも多いらしい。
焦点距離とは、どれくらいの距離のものが写るか。ズームできるレンズもあれば、単焦点(倍率固定)のレンズもある。
単焦点レンズはズームできないので汎用性には欠けるが、写りがいいレンズが多い。
例えば僕の大好きな、Planar 85mm f1.4。
f1.4が最低F値1.4、焦点距離が85mmで固定(単焦点)という意味。
ちなみに85mmは中望遠と言われるくらいの焦点距離だ。
どれくらいの焦点距離でどれくらい望遠なのかとかは、ググッてください……。
まあ、こういうスペックよりも作例が気に入ったもので決めた方が絶対にいい。
ただ、自分が欲しいレンズがどれくらいの焦点距離で、どれくらいボケさせることが得意なレンズなのか……というのは気にした方がいい。
あとでこんなはずじゃなかったー!とならないように。
広角レンズでポートレートとか撮れんからな。
※どの道、ほしいレンズが増えてレンズ沼にハマることもある。
※ポートレート撮るなら85mmはマジでオススメ。近寄り過ぎず、背景を綺麗にぼかして人を撮ることが出来る。景色を撮るのには若干使いづらいかもしれない。
4.レンズを決めたらボディ!
レンズによって「マウント」というのが違う。
つまり、どのボディに装着できるかというのを決める「規格」の部分だ。
気に入ったレンズがあったら、次にマウントをチェックして、そのマウントのボディを探そう。
また、ボディ選びの上で見た目にこだわるのは大切。
見た目は撮影のモチベーションに関わる重要な要素です。
※レンズ一体型カメラであればもうレンズ=ボディなわけなので、それを購入しよう。
5.ボディを選ぶ上で(ピント合わせ編)
フィルムカメラ時代のボディは、ピント合わせの仕方が3種類ある。まあ、ピント合わせについてはレンズによって決まるというところでもあるので、先にレンズを決めた場合確定してるようなものなのだが……。
一眼レフ、レンジファインダー、目測式。あと一部オートフォーカスのものもある。
・一眼レフ
レンズを通した映像をミラーを通してファインダーで見ることが出来る。
<デメリット>
重い、シャッター時のショックや音が大きい
<メリット>
レンズを通した映像を見れるので写真のイメージがしやすい、一応どうボケるかも確認出来る
ファインダー内に一部色の違う部分が表示されており、その色違いの部分をピントリングを回すことで動かし実際の像に重ね合わせてピントを合わせる。分かりづらいだろうし、ググって……。
<デメリット>
カメラについてる窓から覗いてるだけなので視差がある(ファインダーから見えてる範囲≠写ってる範囲)
<メリット>
軽い、見た目がかっこいい(個人の感想です)、ピント合わせが1番容易(らしいよ)
・目測式
大体の距離でピント合わせをする
<デメリット>
にーとんは つかったことがない!
まあ大体の距離でピント合わせるので、ピント合わせはしづらそう。
<メリット>
にーとんは つかったことがない!
メリットとかあるんかね……?
6.ボディを選ぶ上で(シャッタースピード編)
ボディによって最速シャッタースピードというものが変わる。
先程のF値だが、f値を低く設定して撮る=ぼかす=レンズの絞りを開けるほど光を取り込むことになるので、写真は「明るくなる」。
明るすぎるときちんと写らないので光を取り込む時間=シャッタースピードを短くして撮ることになる。
だが、最速シャッタースピードというのはボディに依存するもの。せっかくぼかせるレンズを買っても、シャッタースピードが遅い(=光を取り込む時間が長すぎる)せいできちんと撮れないということがある。
大抵、最速1/1000だけど1/2000のものとかもある。
まあ、最速シャッタースピードは速ければ速いほど良い。
また、シャッタースピードは写す時間なので、長いほど手ブレや動体のブレが影響してくる。
7.ボディを選ぶ上で(露出編)
先述の明るさに関してだが、ボディが光を測ってf値から勝手にシャッタースピードを変えてくれるもの(絞り優先)、シャッタースピードからf値を変えてくれるもの(シャッタースピード優先)、絞りもシャッタースピードも自分で決めるもの(マニュアル)。
この3つの機能から、どれかがついてたりついてなかったりする。
おすすめはボケの量がコントロールできる絞り優先機能がついてるもの。
8.ボディを選ぶ上で(その他)
フィルムの自動巻き上げとか、手動巻き上げとか。
専用の電池を使うのか、市販のボタン電池で大丈夫なのか、そもそも全部機械式で電池がいらないのか。
電池なしで動くもの(機械式)のほうが、壊れづらいし壊れても修理しやすい。
でもそれは光を測ったり出来ないので操作性は微妙だったりする。
9.フィルム選び
まあこれはカメラ買ってから試行錯誤できるので良いと思うのだけど、一点だけ。
今まで出てきた明るさを決める要素が2つ、絞りとシャッタースピード。
それにもう一つ、ISO感度というものがある。
これは光に対する感度自体を上げるというもので、対魔忍が感度を上げられて少しの刺激でもビクンビクンしてしまうように、ISO感度が高いと暗いところでも明るく写るかわりにノイズや粒子感が出てくる。
また、デジタルカメラであればISO感度は都度変えられるのだが、フィルムカメラの場合ISO感度はフィルムに依存する。
絞りとシャッタースピードで対応できる範囲には限界があるので、昼間はISO100、夕方はISO800とかって感じで使い分ける。
しかし、フィルムごとで感度が変わるため、夕方にISO800のフィルムを入れて使い切ることができず、翌日昼間に撮影に行くと感度が高すぎてきちんとした明るさで撮れなかったりするのだ。
あと、フィルムだとISOは高くても1600くらいだけど、今のデジタルカメラであれば25600とか設定できる。
つまり、夜の撮影にフィルムカメラはあまり向いていない(三脚立てたりしてシャッタースピードが遅くてもぶれないのであれば大丈夫だけど)
10.結論
結局はこれに尽きる。
作例調べて気に入った写りのレンズとそれが使えるボディ買いなよ。